磯丸水産「高い利益率のカラクリ」
外食産業の成長が鈍化する中、勢いのある「磯丸水産」。
その強さの秘密は、
「他店の弱み」を、
「自社の成長機会」として捉え、
策を講じ「自社の強み」に転じている
こうした点にあると言えそうです。
たとえば、生産年齢=働き手の減少が近年話題となっています。その余波は24時間営業を行うコンビニやファミレスでは顕著に表れ、人手不足からの人件費高騰へとつながり、経営に影響を及ぼしているのはご存じのとおり。
こうした状況をあえて「機会」ととらえるのが、磯丸水産。
メニューの中心は、浜焼き。海の家でサザエや鮮魚を網で焼くイメージです。
つまり、セルフサービスのお店。来店客が勝手に調理してくれるというのですから、通常の外食のようにたくさんの店員を集める必要がなくなるわけです。
ということは、当世、深夜のバイト料をはずむ必要があっても、セルフだから利点がある。P(Price単価)×Q(Quantity数量)で考えれば一目瞭然です。
バイトの時給単価(P) × バイトの人数(Q) = 人件費
経営上、人件費として支出できる金額に限りがあっても、Q人数が少なければ、Pバイトの時給単価をはずむことができます。
とすれば、バイトを考えている従業員候補者にとって「磯丸は他店よりも待遇がいい」となります。
これは24時間営業を行う磯丸水産にとって、バイトを集める苦労が減るという効果を生むわけです。
バイト集めの苦労がなくなれば、人材募集の広告費も削減でき利益率にも貢献するでしょう。実際、他店の平均利益率が2%台なのに対し、磯丸水産は12%!
(ITmediaビジネスオンライン)
このほか、あえて出店コストの高い1階に店を出す「駅前立地」、時間帯ごとに違った顧客層にフォーカスする「顧客ターゲットの絞り込み法」など、工夫を重ねて、「他店の弱み」を上手に「自社の強み」に変えながら、成長を続けるのが磯丸水産です。
一言でいえば、儲けを生み出すプロセスを「P×Q」のような基本思考をもとに考え抜いたビジネスモデル、それが磯丸水産だと言えます。
このあたりの仕組みや思考回路は「経営を強くする会計7つのルール」でもご案内しているように、様々な業種・業態で利用できると思います。
生き残り策の一つは、
「プロセスを観る」。
「プロセスを観る」には、「バランススコアカード」のような「仕組み」が欠かせません。
詳しくは、理事長著「経営を強くする会計7つのルール」をご参照ください。
ダイヤモンド社書籍オンライン
様々な取り組みにチャレンジする姿勢に、多くの学びを得ることができます。
中でも「カリスマ経営者」に学ぶことは多いと思います。
カリスマ経営者たちが大事にする「数字」の見方を、ぜひ「経営を強くする会計7つのルール」で学んでみてください。
よろしければ、経営者のための勉強会「あされん」、どなたででもご参加いただける「ひるれん」、ショートタイムで経営管理のポイントをつかむ「ばんれん」にも足を運んでいただけるとうれしいです!