「債務者区分」は、こう決まる!
金融庁の手引書「金融検査マニュアル」は、財務状況だけでなく「総合的に勘案し」経営状態を判断するよう金融機関に求めています。
「赤字」だから「融資お断り」というわけではなく、
「赤字」の内容も加味しながら、「総合的に」判断されます。
わかりやすい事例が、「創業赤字」です。
事業が軌道に乗るまで、赤字になることもしばしば。
赤ん坊のよちよち歩きをイメージすれば、迷惑をかけながら成長していきますね。
ですから、創業したてのよちよち歩きの事業にまで目くじら立てるなよ!
こうした「総合的な判断」で「正常先」とされるのです。
こんな場合も「正常先」となります。
会社は赤字でも、社長と家族の給料を合算すれば黒字になる零細企業の場合です。
そもそも零細企業は「奥」と一体的なところがあります。
「奥」とは、日常生活の場所のことです。
そこで、「表=事業」と「奥=生活の場」を一体とみなし、
「表+奥=黒字」ならば、一応問題ないでしょうという「総合的な判断」です。
(※)但し、「強い経営」には「表」と「奥」の分離が必要です。
つまり、債務者区分は、「定量的分析」と「定性的分析」の両面を見て、「総合的に勘案」して決定されるのです。
「定量的分析」とは、決算書などの財務データをもとにした「財務分析」のことです。
安全性、収益性、成長性、返済能力等を「数字」で分析・評価します。
【安全性分析】
自己資本比率、ギャリング比率(有利子負債÷自己資本)、固定比率、固定長期適合率、流動比率、当座比率、借入金対比月商など
【収益性分析】
売上高営業利益率、総資産経常利益率、収益フロー、売上高支払利子率など
【成長性分析】
経常利益増加率、自己資本額、売上高など
【返済能力】
債務償還年数(有利子負債÷営業利益+減価償却費合計)、インタレスト・ガバレッジ・レシオ(〔営業利益+受取利息・配当金〕÷支払利息割引料)、償却前営業利益(キャッシュ・フロー額)(営業利益+減価償却費合計)、経常収支比率、含み益など
【その他】
経営者の個人資産力、実態バランスシート、親会社等実質同一体の状況など
「定性的分析」とは、「数字」で表しづらい事柄も判断材料にするということです。
経営は、経営者次第。
経営者の資質、経営方針、販売力、技術力など、将来または長期的に業績に寄与するもの、「数字」で表しづらいものも「総合的に勘案」して、債務者区分を決めていくのです。
ポイントは、「経営者の熱意」の見せ方にあります。
【「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」が重視する項目】
経営者の資質、業歴、経営方針、株主構成、従業員のモラル
営業力、販売力、技術力、経営基盤、市場動向、景気感応度、市場規模、シェア、競争力、競合状態など
なお、「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」では、次のような事項も踏まえて「債務者区分」を行うことが必要だとしています。
・今後の資産の売却予定
・役員報酬や諸経費の削減予定
・新商品等の開発計画や収支改善計画等
・債務者の実態に即して銀行が作成・分析した資料
金融機関は、「黒字だから貸す」わけではなく、
「赤字だから貸しはがす」わけでもありません。
「社長の熱意」と「返済能力」を見て、融資を実行します。
「数字で話せる社長」を評価し、融資を実行したい。
これが金融機関の本音です。
「数字」は、コミュニケーションツールです。
上手に「数字」を活用することで、「融資」を引き出しやすくなります。
幣法人理事長は、長年中堅・中小企業の経営戦略立案を支援しています。
「バランスト・スコアカード」「5WAYポジショニング戦略」をはじめ、
オリジナル戦略立案ノウハウを駆使し、貴社を応援させていただきます。
これからの「経営戦略」、
ご一緒に考えてみませんか?
価値創造機構では、「御社の戦略立案」をお手伝いさせていただいております。
実現可能な戦略を立案し、御社も強い経営を目指してみてはいかがでしょう。
強い経営を実践している経営者に学ぶことは、実に多いです。
理事長著「経営を強くする会計7つのルール」には、
カリスマ経営者が大切にする「数字」の事例が
たくさん取り上げられています!
ぜひ一度、ご覧ください!
様々な取り組みにチャレンジする姿勢に、多くの学びを得ることができます。
中でも「カリスマ経営者」に学ぶことは多いと思います。
カリスマ経営者たちが大事にする「数字」の見方を、
ぜひ「経営を強くする会計7つのルール」で学んでみてください。
よろしければ、
経営者のための勉強会「あされん」、
どなたででもご参加いただける「ひるれん」、
ショートタイムで経営管理のポイントをつかむ「ばんれん」
にも、足を運んでいただけるとうれしいです!
1件の返信
[…] 「債務者区分」は、こう決まる! […]
コメントは受け付けていません。